今もなお泥沼状態のイスラエルとパレスチナ。1972年のミュンヘン五輪のイスラエル選手◯人事件に端を発する、イスラエルの報復作戦は、両国の深い溝を際立たせた惨事。
守るべき家族がいて、それまで人を◯めるなど考えもしなかった青年。それが報復作戦を通してテロリスト化、いつしか狙われる立場となる。緊張状態や恐怖が彼を支配し、満足に眠ることすらできなくなっていく。
国のために全てを捨てて暗◯計画を遂行するも、敵は後継者が次々と誕生する。雇い主(政府)との接触は最小限で、トップは彼の顔すら知らない。何のために汚い仕事をしているのか、自分が◯ねば次の後任者が生まれるだけ。
複雑な両国の深い溝の一端が垣間見える作品であり、日本に生まれたことへの感謝を噛み締めたくなる作品でした。