jonajona

ミュンヘンのjonajonaのレビュー・感想・評価

ミュンヘン(2005年製作の映画)
5.0
あと6本

スピルバーグは傑作揃いですが、人間ドラマのみならず戦争映画の担い手としても最高峰の方だと思う。
スパイ暗殺映画の傑作。たまりません。

ミュンヘンオリンピックの際に起きたイスラエル選手殺害事件に端を発し、イスラエルの諜報機関モサドは報復として、犯人と思しき『11人の人物』の暗殺計画を立てる。

暗殺はチームだけ上から指示されて、各分野のプロフェッショナルが集まり、方法はチームで考える。その実行部隊のリーダーが今作の主人公。

○いいところ
・残酷描写のこだわりがすごい。
『プライベートライアン』の切れ切れな描写力がここでも健在。撃たれた後に血が遅れて喉元から吹き出してきたり、ナイフの刃が骨に当たって通らなかったり…
人の体に対するフェチズムがすごくて、スピルバーグは変態性が喜ばらしい…

・殺せば殺すほど、精神的に
追い込まれていく暗殺チームの危うさ。
普通は復讐劇なので、相手を悪く描いて暗殺チームに花持たせると思うんですが、全くそんなふうに描かれない。笑
むしろ初めから普通に買い物に出かけた男性を不意打ちで襲って撃ち殺すなど、やってることが非人道的で、彼らが正しいことをしてるのか…悩ましくなる作り。
次第に暗殺に気づき出した敵からも刺客が送られてきて仲間が死んでいく。
妥協のない展開が先が読めず、彼らはどうなってしまうのかと手に汗握る。

・うまく言えないが演出がとにかく切れ切れなので、見ていて全編心地いい。
何がすごいのかよくわからないけど凄い。

・暗殺チームそれぞれのキャラクターがしっかりと立っていて感情移入できる。彼らの孤立無援で暗殺を成功させようとするよるべなさが切なく反面、仲間同士の絆を感じさせる。
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