Donguri5656

引き裂かれたカーテンのDonguri5656のレビュー・感想・評価

引き裂かれたカーテン(1966年製作の映画)
3.6
センスが時代とズレてたのかな。

この翌年から、
アメリカンニューシネマの時代に
突入することを考えると、
なにかと
(当時としても)古めかしさが、
気になったかな。

ミッション自体が、
敵にお知恵拝借という、
なんだかなぁ〜ってところや、
顔が広くバレてるのに、ノコノコ街中を
歩いたり、バレエに行ったりと
間の抜けた脚本や、
セット感全開、スクリーンプロセスだらけ
で、臨場感なく、作り物感からサスペンス
感が一気に冷めちゃう。

それでも、J.アンドリュースが真相を知る
くだりまでは、ウザさ半分、
彼女目線で見れば、展開も読めず、
先が気になるところ。

ほかにも、農場、医者⁈、伯爵夫人など
女性が活躍し、真の主役は、こうした女性
たちだったのかと思えば、先進性もあった
ろうけど、なにぶん、みんな深掘りされないまま、
消えていくので、もったいない。

往年の作品を思わせるような
サスペンスっぽいパートもあり、
それなりに見れるが、自己模倣を感じさせ
一抹の寂しさも感じた。

黒板の公式を必死に覚える主人公と、
突然「はっ」とスパイと気づく教授の
ところが1番いいシーンだったな。

脚本の練り込み不足、東側の描写に
違和感、スパイ物としても、サスペンスと
しても中途半端、清廉潔白すぎる
キャスティングなどなど、そもそも企画
そのものが悪かったんじゃないかな。

ヒッチ本なんかでは、評論家が揃って
不調とか、衰えとか言ってるが、
そこまで悪いとは思えなかったものの、
編集もなんだか雑なかんじだし、
ここはもっと盛り上げられるでしょ、
って、もったいない印象。
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