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舞台恐怖症のCinemanのレビュー・感想・評価

舞台恐怖症(1950年製作の映画)
3.0
『舞台恐怖症』
アルフレッド・ヒッチコック監督  
1950年イギリス公開
鑑賞日:2023年2月17日 U-next

【Story】
演劇学院生のイヴ(ジェーン・ワイマン)は友人のジョナサン(リチャード・トッド)から愛人の女優シャーロット(ディートリッヒ)の殺人の後始末をしようとして女中に目撃されて逃げてきたところだ告白される。

イヴは海辺の別宅に住む父にジョナサンをかくまように頼む。

シャーロットの女中ネイリーを買収し彼女の従妹ドリスと名乗ってシャーロット邸の女中になりすまし身辺調査を始めるイヴ。
調査をしているときに偶然知り合った殺人事件担当のスミス刑事がシャーロットに好意を感じて接近してくる。
シャーロット邸にひんぱんに出入りするスミスの目をかいくぐりながら調査をすすめるうちにシャーロットの本心や殺人事件の核心が明らかになってくる。

【Trivia & Topics】
*日本未公開。
本作品は日本では劇場未公開でテレビ放映されています。

*原題。
原題『STAGE FRIGHT』とはあがり症のことです。

*ジェーン・ワイマン。
ジェーン・ワイマンは、『ジョニー・ベリンダ』(1948)でアカデミー主演女優賞とゴールデングローブ賞主演女優賞 (ドラマ部門)を受賞しているアメリカ女優です、4回の離婚歴がありますが、3番目のダンナさんは第40代アメリカ合衆国大統領ロナルド・レーガンです。

*マレーネ・ディートリヒ。
『嘆きの天使』(1930)で個性的なメイク(細く弧を描く眉)と、100万ドルの脚線美と、退廃的な美貌と、セクシーな歌声で世界を魅了し、ゲイリー・クーパーと共演した『モロッコ』(1930)でアカデミー主演女優賞にノミネートされました。
ディートリヒが演じるジコチュウな女優シャーロットは絶品です。

ディートリヒの大ファンだったアドルフ・ヒトラーはドイツに戻るように要請したが断固拒否。

アメリカの市民権を得たためにドイツでは彼女の映画は上映禁止となる。
1943年からアメリカ軍前線兵士慰問機関の一員としてヨーロッパ各地を慰問にまわった。

1975年にオーストラリア、シドニーでのコンサート中に足を骨折して芸能界を引退。
引退後はパリでひっそりと暮らした。
引退後何年たってもファンレターは絶えず「パリ市 マレーネ・ディートリヒ様」で手紙が届いたという伝説が残っています。

肝臓と腎臓障害のため12年間の寝たきり生活を過ごした後に1992年自宅で死去。葬儀はパリのマドレーヌ寺院で行われその後遺骸がベルリンに移されベルリンでも葬儀が行われました。
彼女の遺骸は彼女の望み通りベルリンの母の墓の横に葬られました。
ベルリンのポツダム広場に隣接したこの広場は「マレーネ・ディートリヒ広場」と命名されています。
2002年にベルリン名誉市民となりました。

*ヒッチコック・フリークのフランソワ・トリフォー。
どの人物も真に危険に曝されていないからこの映画のストーリーは興味を引かないと述べています。

マレーネ・ディートリヒという女優さんは特別お気に入りの女優さんではないんです。
とは言え彼女の発する強烈なオーラにはめまいを感じます。
ディートリヒはどんな映画に出ても良くも悪くもディートリヒが演じているというイメージが強いのですが本人はそのことを悩んだのでしょうか?

【5 star rating】
☆☆☆
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