イチロヲ

帰ってきたエルヴァイラのイチロヲのレビュー・感想・評価

帰ってきたエルヴァイラ(2001年製作の映画)
4.5
パリのショービズ界入りを目指している女性が、滞在先となるルーマニアの古城にて、領主の前妻が自分とそっくりなことを知らされる。B級ホラー映画専門番組「Elvira's Movie Macabre」の進行役、エルヴァイラが単独主演を務めている、ホラー・コメディ。

19世紀のルーマニアを舞台にして、クラシック・ホラーの「あるあるネタ」をザッカー兄弟風コメディに仕上げている作品。主人公のエルヴァイラが怪奇映画のセオリーを熟知しており、「こういう城には隠し通路があるからね」など、メタ発言を展開させていく。

実質的には、領主役のリチャード・オブライエンとエルヴァイラの顔合わせを楽しむ方向性。サブキャラクターも曲者ばかりであり、ボロ雑巾のように扱われる令嬢のマゾヒスティックな存在感が冴え渡っている。

「領主の前妻の身に何が起きたのか?」という部分にサスペンスを置いているが、やっていることは怪奇映画で使い古されたモチーフばかり。「ああ、そうそう、この感じ」と思った矢先に、エルヴァイラが金言を吐いてくれるところが、最高に面白い。
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