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Go!Go!チアーズのnntmkazuyotaroのネタバレレビュー・内容・結末

Go!Go!チアーズ(1999年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

レズビアンのティーンガールが主役のロマコメ。ずっと見たかった一本。
海外では20周年にディレクターズカット版がBlu-ray化されている。これまで「日本でも発売しないかな~♪」と夢みながらその様子を指を咥えて眺めているだけだったのだが、夢のBlu-rayは発売されるはずもなくあれから3年ついに中古DVDをゲットし見ることができた。これは20周年のとき日本で全然話題にならなかったのほんとに勿体なさすぎるでしょ。

最初、主人公のメーガンはレズビアンであることを周囲の差別や偏見からスティグマとして受け入れてしまう。それが出会いや経験、恋によって肯定的なアイデンティティへと変化していく過程がユーモラスに描かれていてとても良い。
特に「ストレートになれなかったのでレズビアンとして生きるしかないからレズビアンの生き方を教えて!」とゲイカップルに聞くシーンが良かった。「それはわたしたちには教えることができない。あなたはあなたらしく生きればそれでいい。」という答えは、ストレートになる方法を教えていた矯正施設を完全に否定する。
ほんとに大事なのは“ゲイはゲイ”(ストレートはストレート、男は男、女は女etc)らしく生きることじゃない。ジェンダーやセクシャリティーに過度に縛られず自由に自分らしく生きること、ありのままの自分を愛することだとこの映画(とルポール)は教えてくれる。

細部までこだわりを感じるポップな色使いの衣装や背景はまるでウェス・アンダーソンの映画の様だし、ルポールが『straight is great』ってTシャツを着ていたりと異性愛至上主義をとことん批判し皮肉るジョークがバカバカしくてシュールな感じなのも好き。なんせ正反対に思える2人が惹かれ合う過程とラストの告白がめちゃくちゃ良かった~これぞロマコメだよ。(ラストでわかったけど、たぶんこれ内容がアイデンティティ管理の話なのも全体的に『卒業』のパロなんだよね。『卒業』ちゃんと見ようと思った。)
今からでも遅くない、Blu-ray発売して!

RPDRにナターシャ・リオンはゲストジャッジとして出演しているので、そちらも是非見て欲しい~
追記:近年だと『ハートストッパー』で自身のセクシャリティーに悩むニックが、ネットで検索している映画の一本がこれです。(残りは『ムーンライト』『パレードへようこそ』『ブロークバック・マウンテン』)
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