けい子

Go!Go!チアーズのけい子のレビュー・感想・評価

Go!Go!チアーズ(1999年製作の映画)
4.8
傑作だった。
色の使い方、音楽、ファッション、全てが完璧にコントロールされていて複雑だけど小難しくなくてポップ。クラッシックだけどとても最近のNetflix作品と言われても信じられるくらい今っぽい。

このクレア・デュヴァルにはほんと惚れてしまう!ちょっとした仕草や表情がカッコ良すぎる。
カメオ出演でジュリー・デルピーやミシェル・ウィリアムス、アイオーネ・スカイが出てて90’sのイケてる女優が集合してる当たりも凄い。ジェイミー・バビット監督当時27歳なんだって。人望〜

この人調べたらNetflixの『ロシアンドール』でレスリー・ヘッドランドとナターシャ・リオンと一緒に監督してるんだね!
『Acolyte』始まる前に見なきゃとは思ってたけど、こういう風に繋がってくるとは…ますますマストになってしまった!

映画の伝えたいメッセージと主人公の変化していく様子がファッションやセットで全て表現されてるのが本当素晴らしかった。
彼氏とキスしていても瞼の裏に浮かぶのは女の子達の身体…という主人公が本当の自分に気づかないで周りの価値観に合わせている冒頭では、親の古着ですか?みたいなレトロなダサ可愛いワンピースに茶色の色調のインテリアの中に住んでいて画面も本当に90年代?というくらい暗い。

同性愛矯正施設に送られるとショッキングピンクやパステルカラーの人工的な極彩色の世界に変わり、そこで「男は男らしく、女は女らしく」を叩き込まれる。

男らしさとか女らしさとか異性愛の規範に押し込めることこそ人工的、というメッセージ。
ほんで本当の自分、本当に好きな相手が分かるゲイクラブの場面が来てやっと主人公が90’sらしいファッションで出てくるんだよね。その時代の普通の女の子の自然な姿がそこで初めて出てくる、という。

こんな映画だとはこのパッケージからは全く想像できないので一見の価値あり。
けい子

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