ソニア

シャドー・メーカーズのソニアのネタバレレビュー・内容・結末

シャドー・メーカーズ(1989年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

現在公開中の「オッペンハイマー」と同じく、原爆開発の過程を描いたヒューマンドラマ。
本作はオッペンハイマーではなく、クローブス将軍の視点がメインであり、自分の立場のために原爆開発にこだわる姿勢が描かれる。
こちらは史実に100%基づいているわけではなく、架空の人物も登場する。架空の人物の1人であるマイケル・メリマンは準主人公ともいえる役割を担っており、作中での凄惨な事件の被害者となる。これは1946年に実際に起きたルイス・スローティンの臨界事故がモデルになっている。今や多くの人が知っているデーモン・コアという装置の由来である。この事件がきっかけでクロスロード作戦ではデーモン・コアの使用が見送られたため、歴史的に見ても重要な意味を持っている。先述の通り、この事件は終戦後の事件なので、本作の舞台であるロスアラモス原爆開発とはなんの関係もない。
ただ、ルイスのこの事件における一連の動きが、後に国民が彼を英雄視することに繋がるので、その意味でのある種盛り上がりを意識した味付けだと思われる。

原題が原題なので、「オッペンハイマー」よりかは、こちらで日本の原爆被害を描いて欲しかった。オッペンハイマーがオープンカー乗り回してチャラチャラしてるのは面白かった。序盤のキャラ作りが上手いと思った。
映画的に面白いかと言われたらこのスコアにならざるを得ないが、観てよかった。
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