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ジェームズ・ディーンにさよならをのHKのレビュー・感想・評価

4.5
『パークランド』(13)ではJFK暗殺で途方に暮れる人びとが描かれたが、これは原題『55年9月30日』ということでジェームズ・ディーンの死で途方に暮れる若者が主人公の傑作青春映画。そう断言出来るのは、同時期に鑑賞した傑作青春映画、『フェイドTOブラック』(80)と『さらば青春の光』(79)に共通した描写があるから。それは、ゴス・メイク。そのメイクを施すことによって主人公は一度死に、そして甦る、ことがもっとも青春映画にとって重要なのではないか?なので、ゴス・メイクしない青春映画なんてクソだ!(笑)元々それは主人公を唯一理解する女友だちがしていたもので、彼女こそは真性ゴスッ娘。ディーンに祈りを捧げていたら犬が吠えた。つまりそこには彼がいるというのである!監督のジェームズ・ブリッジスは研究書が出ているほどの作家だが、なぜかこちらではあまり語られない。若いシネフィルは古い映画と同時に新作も追わなければいけないので、ブリッジスまで行き着くのには時間が掛かるのだろう。ちなみにディーンとの関わりを描いた映画ではアルトマン『わが心のジミー・ディーン』(82)もメッチャ好き。
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