Jimmy

死者にかかってきた電話/恐怖との遭遇のJimmyのレビュー・感想・評価

4.0
ジョン・ル・カレ原作をシドニー・ルメット監督が映画化したスパイものサスペンス😎
この原作は(とっくに絶版のため)未読だったので「分かるか?」を少し心配したが、理解できる作品に仕上げられており良かった😄笑
あのジョン・ル・カレ原作の映画『裏切りのサーカス』は「原作本の『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』を読んでいない限り、映画を何回観ても【絶対に理解不能】の傑作」だったので心配したが、これはOK!

本作も、ジョン・ル・カレ原作らしさが出ているスパイ(密告者)を探す話ではあるが、序盤に殺人事件を追うかたちになっており、サスペンスの王道をいく展開だった。

イギリス諜報員のドブス(ジェームズ・メイソン)は、共産党員の疑いのある高級官僚フェナンに公園で聴き取り調査をしたが、その直後、その高級官僚フェナンは自殺。
ドブスの調査でフェナンの疑いは晴れていたが、ドブスはフェナンの妻(シモーヌ・シニョレ)に会いに行く。すると、ドブスの前では冷静だったフェナンが妻の前では取り乱していたらしいことが分かる。更に、フェナンの家に「朝8時30分のモーニング・コール」がかかって来る。
これから自殺しようとする男がモーニング・コールを頼むだろうか……と、ドブスは「フェナンは自殺でなく殺された」と考えて、真相を追い始める。


本作を観たら、ジョン・ル・カレ原作本を読みたくなったが、「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」をはじめとする“スマイリー・シリーズ”は【新装版】の文庫だったので(内容の難解さは置いといて)活字の読み易さは助かったけれども、この「死者にかかってきた電話」の原作本は新装版ではないので「文字が縦横に詰まっていて読みづらいのでは…?」と敬遠してきたもの。
そのうち読むかも知れない。


この映画、実に中味が濃いサスペンス映画だった。
また、イギリスを舞台にした映像には重厚感も感じられた。
シドニー・ルメット監督の佳作✨
Jimmy

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