メイプルわっふるG

H.G.ウェルズのS.F.月世界探険のメイプルわっふるGのレビュー・感想・評価

3.0
妄想がちな老人の話は事実だった。
老人の回想で明らかになる月世界最初の人間。

SF文学の古典を特撮レイ・ハリーハウゼンで映画化。
同じくH・G・ウェルズ作『宇宙戦争』の終息との類似はそれだけウェルズが意識していたことのようにも思える。人類の傲慢さや軽視しているものに足元をすくわれるといったテーマ。
ネタ切れや流用ではなく大切なことなので定番化したかったとか。


回想の初っ端からクラシカルで可愛い車や家。趣きある屋内調度品の数々。
打って変わって月世界の洞窟。むき出しの水晶、陰鬱なキノコ系、虫系生物。
これらの対比がより一層相手を下等なものと思わせたり主人公の傲慢自己中な行動を正当化させたりもする。
単にこの時代の風潮なのか。それともウェルズの風刺や警告だったりするのか。

主役の人格に問題があるとはいえ娯楽映画の探検ものとして64年製作とは思えない面白さ。何より月世界のおどろおどろしさが好き。



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