視線の断絶とフレーミングでディスコミュニケーションを描く作品は数あれど、2時間ここまで視線が合わない(切り返しは序盤の夫との会話1回だけ?)絶望的な映画は見たことない。疲れ切ったしまるで掴めた感じが…
>>続きを読むカットをあまり割らずにカメラを移動させながら長回しを持続させてるけど、カメラを動かしてもカチッとした構図を決められるのがまずすごい。
安定的な画面でずっと会話が続いてたのでちょっと眠くなったけど、
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「愛すること以外の人生は存在しない」
カール・テオドア・ドライヤーの遺作にして集大成となった作品🎞️✨
結婚生活に不満を抱く弁護士の妻ゲアトルーズの愛を求めて苦悩する姿を完璧な様式美で描く会話劇…
フレームの外側の何かを見つめているような、他者と交わらない視線が印象に残った(カウリスマキ思い出した)。会話劇以外の要素を排除したミニマルな作りだけど、静謐な長回しに独特な圧力があって引き込まれる。…
>>続きを読む2023/6/30
夫との結婚生活に不満を抱き、若き作曲家と恋愛関係にあるゲアトルーズ。本作を含めてドライヤー作品を4作観たけれど、宗教色がほぼ皆無でメロドラマとも言える内容。そして、始めのうちはゲ…
ドライヤーの最後の作品は視線の交わらない徹頭徹尾ミニマルに貫かれた会話劇。神秘的なテーマを多く取り扱う作風から非常に現代的なテーマへと舵を切った。不定形な輪郭が満たされるゴールまでの道のりが愛なのか…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
・まさかの恋愛×思想の方向性に辿り着いたドライヤー
・しっかり作家性を残しつつキリスト教を直接扱かわないので新たな試みに見える
・だがやはり固定ショットが多すぎて運動が感じられず、説明的なシーンが目…
ドライヤー円盤買いすぎてやばいな😅
19c後半契約的結婚から恋愛とか心の結びつきにと変わる過渡期の愛のお話。詩と音楽との芸術を通して。
でもパートナーに対する「そういうことじゃねえんだよ!」の感情…
愛が消尽したあとになお残る全ては記憶に。
意味が剥離して声がただ心地よく響くのは詩。
椅子に腰掛け、話し、立ち上がり、背後に廻り、話し、椅子に腰掛け、永遠に目線は交わらず、話し、立ち上がり、背を向け…
カール・ドライヤー監督の遺作…。
奇妙な程に徹底した"交わらない視線"…距離は近いのに交わらない…近くにいるのに、こんなにも遠い存在…。
男と女は話しながらゆっくりと移動…カメラはそれを追いかけ…
(c) Danish Film Institute