流麗で美しいにも程があるカメラワーク。惚れ惚れする。長回しで映像に釘付けされる。圧巻である。
愛の加害性をありありと映し出すわけであるが、ドロドロしたものを扱いながらも弛緩することなく、そして破綻…
カール・テオドア・ドライヤー セレクション
vol.2
ハマスホイの絵のような映画。
完璧な様式美。
これまた内容的にはソープオペラぽいゲアトルーズの恋愛歴と言えなくはないような内容だけど、彼女の…
神話を現代劇へ翻案してしまう暴挙をゴダールのマリア以前に実践し、何より本作すらまだ野心の途上であったというドライヤーの遥かな意志を汲み取れぬまま観終えてしまった。
確かに視線は交錯を避けられるしゲ…
またまた非常に手堅いカメラワークの映画で、時々意識が飛びかけましたが、壁に映ったゲアトルーズの影が服を脱いだり、蝋燭を灯すとゲアトルーズが鏡の中に現れたりと、こちらの目を捉えて離さないシーンが多々あ…
>>続きを読む女性の恐ろしさを煮詰めたような映画であり、特に鏡のシーンには魔術的な美しさが存在する。ホモソーシャルな空間で語られる表面的な「愛」を滑稽に描き、人間的レベルで女性の性を描く。ベルイマンより女性に対し…
>>続きを読むゲアトルーズの声がとても良かった。彼女の言葉と男達の言葉が視線同様にひたすらすれ違い続ける。でも不思議と虚しさは無く、前向きな気持ちになれる。エドワードヤンの恋愛時代を思い出したが、こちらは身振りの…
>>続きを読むゲアトルーズの恋愛観や孤独が自分とめちゃくちゃリンクしていて全部解る!私か!と思った。女は永遠に愛したい、けれど男の人生の中心には女はいない。
1889年生まれのドライヤー監督が女性視点でここまで的…
長回し。カメラの位置はおへそあたりが基本。池のほとり。生々しいエアリスとのキスシーン。ピアノの傍で歌うゲアトルーズ。ソフトフォーカス。ろうそくに点す火。マッチを擦る焦げた匂い。鏡に収まるゲアトルーズ…
>>続きを読む傑作
男女の恋愛学を全て煮詰めたような作品。
感情の機微がとても繊細に捉えられている。
想い、偲ぶことの尊さと切なさ。
恋の春から冬まで、男女が出会い、恋に落ち終わるまで。初めから終わりまで。
…
(c) Danish Film Institute