牧史郎

ガートルード/ゲアトルーズの牧史郎のレビュー・感想・評価

2.0
当たり前のことをひたすら観念的抽象的に繰り返していってるようにしか見えなかった。愛とは、もっと身体的な実感の有無なんじゃないのか。脳みその皮層の部分でウダウダ言ってる時点でこの人達ダメでしょ…ナルシズムにしか思えない。

語られる問いかけは面白いけれど、それを映像として面白く見せるのが映画ではないだろうか。小津にはユーモアがあるし、ブレッソンにはリズムがある。それを感じ取ることがこの映画からはできなかった…。ゲアトルーズの魅力も、そこにこだわる男たちも魅力も、ただ暗くて話が長いだけで感じられず。「奇跡」はまだ人物の魅力やラストの鮮やかさなど工夫が見られたけどこれは観念の応酬に感じてしまいました…(涙)

ただ「裁かれるジャンヌダルク」を初期に撮った監督が、「ゲアトルーズ」で終えるというフィルモグラフィーの美しさは改めて凄いなー。
有名な扉を閉めてカメラがトラックバックするラストショットも遺作としては至高。カサヴェテスの「ラブストリームス」並のハマりっぷり!
牧史郎

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