缶々

ベニーズ・ビデオの缶々のレビュー・感想・評価

ベニーズ・ビデオ(1992年製作の映画)
4.5
大部分の感情が欠落したような凍てついた映像とベニーズビデオの暖色の対比。二重構造によって「観客」としての意識が明瞭になる。ミヒャエル・ハネケ作品に通底する「罪への意識」。今作は現実感が欠落した少年とその家族が、コントロールできない現実で起こした罪とどう接するのかが描かれる。不意に発せられた母親の咽び泣き、唐突な散髪、エジプトでのビデオ撮影、言葉に頼らず行為のみを淡々と投げかける。
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