ちーくん

ベニーズ・ビデオのちーくんのレビュー・感想・評価

ベニーズ・ビデオ(1992年製作の映画)
3.9
これは作中の少年と監督も言ってたけど、「どんなものかと思って」の一言に尽きると自分も思う。前作の「セブンス・コンチネント」同様、どう受け取るかは歓喜次第ということだから自分の好きなように解釈するけど、この少年に悪気などは一切なかったし、やってしまったことも最後まで特に悪いと思っていないと思う。本当にただの好奇心によるもので、自身の行動に意識なんてものは全くなかったから、きっと「やってしまった」ではなく、「ああ、こんなものか」といった感じだと思う。だから犯行後もあれだけ落ち着いていられたんだろう。両親にビデオを見せたときも、これがはたして悪いことなのかということを確認するために見せたんじゃないかな。警察に自白した時も、悪くもないのに隠し通す意味が分からなくなったんだと解釈した。その後の「ごめん」が何を意味してたのかはイマイチよく分からなかったけど。ただ、最後の「帰っていいですか?」で結局罪の意識など1ミリたりともないことがよく分かる一言だったと自分は思う。まとめに入ると、本作は比較的解釈しやすい、分かりやすい作品だったと思う。個人的に前作が意味不明すぎただけに笑。これでハネケの初期1、2作目を観たわけだけど、これと比べると「ファニーゲーム」は非常に分かりやすく作ったエンターテインメント作品だったんだなと思った。あと、家庭の崩壊好きすぎやろ。性癖なのか?笑。この作風は嫌いじゃないからこれからもハネケ作品を観ていこうと思う。
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