モスマンは実在する

ベニーズ・ビデオのモスマンは実在するのレビュー・感想・評価

ベニーズ・ビデオ(1992年製作の映画)
4.6
映画を観る感覚で生身の人間にも接してしまう危うさ。主人公にとっては周囲との間に隔たりがあるように感じられるため何でもできてしまう。こうしたたちが悪い部分を突き放して描くところが面白かった。

少女を殺す映像をテレビ画面に映した後に、そのテレビのチャンネルを変えてニュース映像をザッピングする場面も印象的。目の前で起きた出来事も、画面を通して見る事により他のニュース映像と同じように生々しさが失せていく。

DVD特典映像にはミヒャエル・ハネケ監督のインタビューがあって参考になった。主人公が丸坊主にしてみせたのは罪悪感の回避などでもあるという。