horahuki

アビィのhorahukiのレビュー・感想・評価

アビィ(1974年製作の映画)
3.6
考古学者 vs 性欲の権化!

黒人版『エクソシスト』と呼ばれる、ガードラー監督による怪作。当時、低予算ながらヒットを飛ばすも、本家ワーナーからパクリだと訴えられ敗訴→歴史の闇に葬られてしまった悲しい作品。でもそんなことよりも、悪魔に取り憑かれたアビィさんによる名人級な顔芸劇場の凄さよ!笑い死ぬかと思った🤣🤣

ジャケにもその片鱗がしっかりとあるけれど、迫力抜群なデカ顔に隠れて見落としがちな綺麗なキーーーンにも注目!この体勢で画面のこちら側に向かって突進してくるのがズルい!絶対笑わせに来てる!!😂

『エクソシスト』のメリン vs パズズを予感させる冒頭の発掘シーンと対応させるようなプロローグでも、悪魔エシュ神が箱の中から完全に出てきてしまうという“予感”に留まらない行き過ぎ具合からして堪らない!

ちなみに悪魔と対決するのは神父ではなく考古学者のオッサン。このオッサンが発掘してしまったせいで、息子の妻アビィさんがリーガンの如く暴れ回ることに…。流石に考古学者では神父に比べて役不足と考えたのか、「立派な経歴の識者で世界中を股にかけた考古学者で神学博士で人道主義者」とか言うモリモリに盛ってくる頭でっかち設定も笑っちゃう!🤣

どうやらエシュ神は最強の神らしく、更には性欲魔神だったもんだから、敬虔なキリスト教徒だったアビィさんが男を誘惑しまくって大変なことに!ち◯こ60センチ(自称)のオッサンや、果てには夫の目の前で義父まで誘惑する始末…😅そんな感じの傍若無人っぷりを披露しつつ「ガハハハハ!」と悪魔的な高笑いをするのだけど、毎度毎度、画面一杯のドアップで顔芸→フリーズフレームからのフェイドアウトでじっくり名人芸を見せつけてくるプロのこだわりの姿勢に感服!!

ただクライマックスは凄くて大好き!演出は技術じゃなく製作陣の熱量だと実感させてくれる凄まじさ!人間の理解の範疇を超えた狂気をフィルムに焼き付けようとするガードラー監督の維持を感じた。DVD画質が終わってるので、綺麗なバージョンで見たらまた評価変わるかも?早くに亡くなられたのが本当に悲しい…😭
horahuki

horahuki