真っ黒こげ太郎

エネミー・ライン2 -北朝鮮への潜入-の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

3.5
大ヒット スカイアクションムービー 待望の続編!

…別に前作はスカイアクションメインの映画じゃないんですがそれは。




一触即発の緊迫状態が続くアメリカと北朝鮮。
北朝鮮が密かに施設で核ミサイルを製造してる事がホワイトハウスに伝わる。

核ミサイル製造施設を潰す為に、ネイビーシールズが民間機で偽装して出撃!!!
敵地上空について、いざパラシュートで降下…って所で突如任務中止が伝えられる!!!
しかし、既に2人が降下し、1人がズッコケて足を滑らせて落ち(おい!w)、もう1人が落ちた1人を助ける為に降下してしまう。

味方の来ない敵地に取り残されてしまったシールズ隊員4人。
密かに隠れて基地の爆撃が終わるのを待つことになったが、アッサリ敵軍に見つかり敵に囲まれてしまう!!!
彼らは敵地から生きて脱出できるのか。そして北朝鮮のミサイル基地を破壊することができるのだろうか。



敵地に取り残された兵士が決死の脱出を図る戦争アクション映画。
ミリタリーアクション映画の隠れた名作「エネミー・ライン」の正当続編。
因みに前作は何回か見てますが、続編は今回完全に初見です。



しかし、あっちではビデオスルーのVシネマとして作られたようで、予算もスケールも大激減。
主人公も別人だし、続投してる登場人物も居ないし、ストーリー上の繋がりも一ミクロンもナシ!!!

「前作を追う必要はない」と言えば聞こえは良いが、ぶっちゃけVHSスルーやビデオスルーのコマンドアクション映画と何ら変わらん!!!
ここまで来るとヌー・イメージ(NU IMAGE)が制作したと言われても信じられそうだ。w
まぁ、それならそれでB~C級コマンドアクションとして見ればいいんだけどね。


本作のストーリーは「敵地に潜入して基地を破壊」というコマンド物の王道プロットだが「北朝鮮とアメリカの対立」が主軸となっており、ポリティカルな場面も中々見ごたえがある。
これが今なら他の国になりそうだけどね。まぁ政治的なアレコレを語るつもりはないけど。


しかし、本作はポリティカルな要素が面白い反面、コマンドアクション映画としての見応えにイマイチ欠ける出来になってしまっている。

まず何といっても、アクション演出がダメダメすぎる。
銃撃、爆破、カーチェイスの3つは揃ってるが、カメラワークがガチャガチャし過ぎで迫力が大激減!!!
銃撃戦やカーチェイスは立ち位置が全く分からないし、爆破シーンも戦車を爆破する場面が一か所だけという貧相さ。
(ラストに敵軍基地の大爆破があるけど、CG丸出し。)
しかも敵地の画面は何故か減色して白っぽくなってる所為で見かけも寂しい。
北朝鮮の寒さを伝える為か、あるいはロケ地をのアレコレを誤魔化すためか。(たぶん後者w)

ポリティカルシーンは普通に撮ってくれてるのに、何で肝心の戦闘シーンで見づらくするのか。
普通に撮ってよ…。


因みに取り残された軍人もかなりポカをやらかし、その所為で敵に見つかって戦死者が出るというオツムの足りなさを発揮してしまう。
結局味方になってくれる韓国兵士が助けてくれなかったら何もできなかったよ主人公達…。
(手の平に釘を打たれる拷問は良かった。w)


一応フォローすると、クライマックスはポリティカル展開や戦闘シーンの見せ場が上手く合わさり、命を助けた敵軍のお偉方が助けてくれる展開等の見どころも多くてそれなりに楽しめました。
ラストも爽やかで、後味は悪くなかったですね。
(和製コマンドアクション映画の「ブルドッグ(1992)」を思い出しました。少しだけ。w)
クライマックスの銃撃シーンも相変わらずのチャカチャカ編集だけどね。


製作は20世紀スタジオでお金は掛かってるし、テンポも良い、社会派な展開も悪くないだけに、戦闘シーンの不出来っぷりが何とも残念。
これでドンパチをどっしりしたカメラワークでしっかり撮って、火薬量を増やせばかなり良くなったかもしれないだけに、実に勿体なかったですね。
私的には嫌いじゃないけど、酷評されるのも頷けると言うか。

まぁ、この手のマイナーコマンドアクション映画としてはそこまで酷い出来って訳でもないので(以前見た便乗タイトルの映画の方が酷かったw)、こういうジャンルが好きなら暇つぶし程度に見てもいいんじゃないでしょうか。

前作が好きな人は…まぁ別物のB級アクション映画として見た方が良いと思う。
どちらでもない人は…まぁ無理して見んでもええか。w


しかしVシネマとは言え、2作目でこんなにショボくなってしまって大丈夫だろうか。
一応前評判で3作目と4作目は火薬量が増えてると聞いたので、挽回してくれることを願います。