青二歳

バレエの祭典の青二歳のレビュー・感想・評価

バレエの祭典(1981年製作の映画)
4.3
【祝!世界バレエフェス開幕】
1981年モスクワ国際バレエコンクールドキュメンタリー。高名なコンクールにこのタイトルとは!ロシアバレエに栄光と祝福あれ〜
ソ連時代のバレエドキュメンタリーは国策映画なのでナレーションがかなり面白い。しかしレベル高いな!81年となるとかなりモダンな体型のダンサーが多いし、コンテンポラリーもテクニックも今観て一切の遜色なし。

クランコ"ロミジュリ"のパ・ド・ドゥが観れたり、コンテンポラリーは見応え十分!というかかなりコンテンポラリーに積極的な評価をしているというか、解説が丁寧。こういうとこソ連ってエラいわ…
コンテンポラリーは淘汰が激しいというか、踊り続けられる作品として残るのはかなり厳しいので、今となっては見かけない作品も多くかなり貴重な記録。ありがとうソ連。

下村由理絵がジュニア部門(まだプロとしてデビューでないダンサー)で最年少の銀賞を獲った年とか。ほか有名どころではなんといってもアナニアシヴィリ!彼女がジュニア部門金賞を獲ってます。映像少ないけど。
シニア部門グランプリ、イレク・ムハメドクの"春の祭典"は素晴らしい。この"春の祭典"全編観たい…"ドンキ"バジルもカッコいい〜
マルガリータ・ペルクン=ヴェベジチの"スパルタクス"フリージアはジュニア部門とは思えない完成度。"海賊"アリとのアダージョも秀逸。
っていうかこの年金賞ほとんどソ連勢じゃん!そらぁ記録映画としてソビエト全土に配信したわけだ…。

ソ連勢以外の金賞受賞者は、ベネズエラからヤニス・ピッケリスが景気いい。彼の"ドンキ"バジルは会場沸くわー。

とても約35年前とは思えないレベルの高さ(特にジュニア)と、ソ連の文化政策には感嘆。国内向け啓発映画としても自国の文化に自信がもてるし、海外や衛星国向けにしても自国の文化水準の高さをしっかりとアピールしていますな。ソ連の国策映画は、クールジャパンなんかよりよほどしっかりした文化輸出産業です。
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