三隅炎雄

生きていた人形/人間人形の逆襲の三隅炎雄のレビュー・感想・評価

3.8
科学者でもなく、元世界的マリオネット使いで現在は小さな人形工房をやってる爺さんに何で人間を小型化するあんなマシンを作る能力があるのか分からないが、科学の建前がないぶん、変質者の性的な欲望と孤独が生々しくむき出しになっていて、映画の強い個性になっている。
面白いのは、爺さんがモノを自由に大きくしたり小さくしたりして見せることのできる投影機の能力に魅入られ、言い換えれば映画の力に魅入られて、人間のサイズを自由にできる機械を発明したと言わせていること。低予算の画面に稚気とともに夢想家の暗い詩心が結実して、なかなか魅せる。
三隅炎雄

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