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アントニー・ジマーのakrutmのレビュー・感想・評価

アントニー・ジマー(2005年製作の映画)
3.7
ジェローム・サル監督の長編初監督作品。バカンスに向かうTGVの中で、フランソワは謎の美女キアラと出会い、カンヌのホテルで一緒に過ごすことになる。キアラはアントニー・ジマーという犯罪者の恋人であり、そのことでフランソワも事件に巻き込まれていく。

サスペンスとしての見どころが特にあるわけではないが、全体的に雰囲気があるし、所々に粋な演出(例えば、外階段にこぼれた精神安定剤の錠剤が振動するのを見て、相手が近づいてくるのを察知するシーンとか)が見られる魅力的な映画である。しかし何と言っても本作を魅力的にしている主因は、主演のソフィー・マルソーとイヴァン・アタルにある。最初はキアラに翻弄されて戸惑い気味だか、次第に男気を発揮していくイヴァン・アタルの演技がなかなか格好いい。40過ぎでも赤も黒も似合うソフィー・マルソーの色気やツンデレぶりもたっぷり堪能することができる。ソフィー・マルソーのファンにとっては、一度は観ておきたい映画であろう。

なお、この映画のリメイク版が『ツーリスト』という映画だそうである。この映画はまだ観ていないが、アンジェリーナ・ジョリーとジョニー・デップが主演なのを考えると、本作のほうがずっとずっと上であろう。
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