ポール・シュレイダーの監督デビュー作。工場で過酷な労働を強いられる男たちの軋轢を描いたシリアスドラマ。
まるで東映やくざ映画のような苦労人の話になっている辺りが面白い。さすがは高倉健主演で『ザ・ヤクザ』の脚本を書いた人だけはある。
主演のハーヴェイ・カイテルが『デュエリスト/決闘者』や『バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』同様に粘着質でギラギラした存在感を発揮している。
下から上へ突き上げる労働者のカウンターパンチ👊をあくまで正攻法に綴った作品。
終始インダストリアルな雰囲気が特徴の映画で、都市のアンダーグラウンドの部分に言及している点がユニーク。やはり『タクドラ』が頭を過ぎる、孤独な魂の遍歴の物語になっている。