うめまつ

プロスペローの本のうめまつのレビュー・感想・評価

プロスペローの本(1991年製作の映画)
4.2
もはや感想なんて「すごかった」で済ませたくなるくらい諸々吸い取られて何も残ってない。126分だったようだけど体感はバッチリ180分はあった。長い、長過ぎる、いつ終わるんだ、もう充分堪能させて頂いたのでこの辺でどうだい、とラスト30分くらいは心の中で懇願していた。

とにかくグリーナウェイが絶好調でノリまくって作っているのが画面からビシバシ伝わって来て、特に前半は芸術が爆裂開花しており見応えMAXな絵がこれでもかと繰り出されるので、容量激重のデータを連続で開いて行く感覚で、全然読み込めずに脳の処理速度が遅くなって行くのがわかる。ルーヴル美術館を1日では回りきれないように、この映画も色々詰め込み過ぎて1本で消化できる芸術量をオーバーしているのだ。でも監督はきっとこの作品にめちゃくちゃ満足してて、ぎゅむとはがいじめにしたいくらい愛してるんだろうな。何故かそう感じるよ。《24冊の魔法の本》が好きだからぜひクラフト・エヴィング商會にレプリカを作って欲しい。私たちは夢と同じ材料で出来ている。書を捨てよ祖国に帰ろう。そして魔法を失ったその手で愛に触れよ。
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