リーアム兄さん

ジャックはしゃべれま1,000(せん)のリーアム兄さんのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

【好きなセリフ】
シンジャ「言葉を費やしただけでは?死にゆく木からヒラヒラと舞い落ちる葉。それが言葉だ。愛は心で示すもの。穏やかに愛していると伝えるんだ。ありのままにね。」

話術で多くの契約を結んできた敏腕出版代理人のジャック(エディ・マーフィ)は最近人気になっているスピリチュアルの指導者であるシンジャ(クリフ・カーティス)との契約成立に動き出す。シンジャの寺に赴き、交渉を始めるが、その途中で菩提樹の幹に手がささり怪我をしてしまう。ジャックは気にせず交渉を進め、その巧みな話術と嘘で無事契約まで漕ぎ着ける。家に帰り妻と育児について話していたジャックだが突如地面が揺れ、家の庭に菩提樹の木が生えてくる。自分が話すごとに葉が落ちることに気づいたジャックはシンジャに説明を求める。理由は不明だが話すたびに葉が散り、全ての葉が落ちた時にジャックも亡くなるという。ジャックはこの状況をどう打開していくのか。

エディ・マーフィ主演のコメディシリアスハートフル映画。
映画序盤は話術が上手い敏腕代理人役のエディが早口と落ち着きのない動きで話しまくるというエディ・マーフィ感全開のコメディだが、葉っぱが落ち始めてからはエディが終始話すことを躊躇うというなかなか見ることのできないエディ・マーフィを楽しむことができる。
そんな設定の中でも独特の動きと豊かな表情だけで笑わせてくるのはさすがの演技力。さすがコメディ映画の王様。

ただコメディ全開ではなく、強いメッセージも入っている映画。特に日本人はまさに「言の“葉”」という言葉を使っているのでよりこの映画の設定がしっくりくると思う。ジャックは普段上辺だけの言葉で人と会話をしているが、その言葉を制限された時に本当はどう思っているのか、何を伝えなければいけないのか、自分の言葉の重要性に気づく。
無駄な形容詞や言葉を付けなくても、自分の心から思うことありのままを言葉にして発すればしっかりと相手に伝わる。
むしろ相手の話を聞くときも、無駄な言葉に騙されず、相手の本心を表す言葉を掴み取ることができるように聞くことが大切。

英語だからこそ響くセリフがある映画ももちろんあるけど、この映画は日本人だからこそ、より深く理解することができる映画だと思った。