一つの家族の中に起こった、喪失と再生のドラマ
キャリー・マリガンのショートが眩しいし
ピアース・ブロスナンの普通のお父さんが温かいし
スーザン・サランドンの底知れない母親の愛が深いし
アーロン・テイラー=ジョンソンの童貞臭がピカイチ
ほんでもって
重要な役どころに、マイケル・シャノンときたもんだ!
突然の交通事故による喪失の暗闇から
抜け出せずにいる苦しみを
家族、恋人、それぞれの立場で多面的に描く・・・
同じ幸せを共有してきたそれぞれが
全く違った方法で、再生への道を模索する物語
どの人の、どの苦しみも
どの人の、どんな手段も
間違いはないし、正解もないから
少しずつ気持ちがずれて、崩壊してしまいそうな
そんな家族の姿を見ているのが、ツライ
この喪失に対する答えを見つけ出そうとしても
答えがあるのかないのか、それすら分からないから
希望となるはずの小さな命も
行き場を無くしてしまいそうになるのが、たまらなかった
母親の子供に対する特別な愛情っていうか、父親とはまた違う「本能のレベルでの感情」が、この映画では重要となってくるだけに、スーザン・サランドンの手堅い上手さのおかげで奥深さが増して、やがて母になろうとするキャリー・マリガンへ託された未来(希望)が更に輝いているように見えた
喪失を受け入れるのは、あまりにツラすぎる
でもそれは、決して思い出を葬ることではないんだと
美しく輝くラストシーンは、そう教えてくれる