Toineの感想文

ジュリア・幽霊と遊ぶ女のToineの感想文のレビュー・感想・評価

ジュリア・幽霊と遊ぶ女(1977年製作の映画)
3.7
【うら悲しき運命と惹かれ合う母性】
ついに2024年5月10日に今作のBlu-rayが発売します。
欲しい!!
日本版はずっとディスク化されないままの作品だったため数年前にミア・ファローさんお目当てでVHSで鑑賞いたしました。
幸薄で精神を病んで行く役がハマっていらっしゃる。
素敵。

監督はファローさんを映像に収めるために彼女をキャスティングしたのかなって感じる撮り方をしている。
確かに儚くて美しいファローさん。
金髪のベリーショートが本当に可愛い♡

冒頭のショッキングな描写と娘を助けようとした行動が裏目に出てしまった癒えない母の苦しみ。
新居に棲み着いていた可哀想な女の子の亡霊。
ファローさんの周辺で起こる娘の4とリンクするかのような怪死事件。
そして観る人に解釈を委ねるラストカットが本当に素晴らしい。

ひたすらに共鳴する悲しみ。
あの日から少しずつ崩壊して行く日常。
不条理だし最初から最後まで救いが無い。
いや、もしかすると母娘と亡霊にとってカタルシスを得られたラストだったのかも知れません…。
いずれにせよ悲壮感が半端ない。
非常に好みの作品でございます。
良作!