シャチ状球体

ジュリア・幽霊と遊ぶ女のシャチ状球体のレビュー・感想・評価

ジュリア・幽霊と遊ぶ女(1977年製作の映画)
3.3
トレイラーで使われている音楽が気になってBlu-rayを買ってしまった映画。

良くも悪くもホラーのお約束が全然守られておらず、恐怖シーンはほぼない。どちらかというとジュリアとの離婚を認めず、従わない場合は精神病院に入れようとする、マグの直球のモラハラの方が怖い。マークもマグも特に何のドラマもないままいつの間にか退場してるし、作り手の各キャラクターに対する冷徹な姿勢も怖いかも。脚本が弱いとも言う……。

幽霊は実在するのかしないのか、全てはジュリアの妄想なのか現実なのか。それは最後まで分からない。たまに関係者が足を踏み外して地味に死んだりするけど、基本的には何も進展はないままエンディングを迎える。
ついでに精神障害に対する偏見とあり得ないレベルの伝統的家族観(ピルのせいで夫婦関係が崩れる、とか)が結構な頻度で台詞として表れたりするので、現代にそぐわない内容であることは事実。

ミア・ファローの演技、コリン・タウンズのスコア、抽象的で想像の余地を残すストーリー。光る部分だけを引き継いでリメイクしてほしい。
シャチ状球体

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