chunkymonkey

ウエディング・クラッシャーズ/ウエディング・クラッシャーズ 結婚式でハメハメのchunkymonkeyのレビュー・感想・評価

3.5
米国で想定外の大ヒットを記録した作品ながら本邦では劇場公開されず、さらにテレビ東京がとんでもない副題をつけて放送したといういわくつきのコメディ作品です。「インターンシップ」のオーウェン・ウィルソン&ヴィンス・ヴォーンのペアですが、同作よりもさらに8年前の作品になります。

離婚仲裁人という職業柄、結婚に興味がない親友のジョンとジェレミーの趣味は、結婚式に乱入して女性を荒らす「ウェディング・クラッシャーズ」?

大親友の男二人がそれぞれの女性がらみで自己中心的になり、仲たがいするも最後は... という物語全体の構図は、完全に男子高校生を主人公にしたお下劣系青春映画のソレそのもの。全体だけでなく、各場面の小さなエピソードもおバカ男子高校生のコメディ作品で出てくるアレコレのみで構成されています。が、本作の登場人物に高校生はおらず、主人公含めオジサンとオバサンばかり🤣

というわけで登場人物がオジサンとオバサンばかりなのに、ストーリーや各場面だけでなく、そこで描かれる友情や恋愛は青春特有の爽やかな感情を見事に体現しており、新鮮な違和感とともに「大人になってもこういう青春らしい気持ちを忘れずにいたい」と思わせてくれるのが、本作のよいところ。

一方で、オジサン主人公2人を紹介する導入部分がものすごく駆け足で通り過ぎていくので、彼らが一体どんなことを経験してどんな人となりでどんな感情を持って日々を送っているのかよくわからないのに、さらに序盤からコロコロ心変わりを繰り返し、全然感情移入できない。

青春映画で描かれる高校生の設定や感情は、ある程度万人に共通して体験されるものであるから、序盤の設定部分を省略してもすっと入り込めるのですが、大人はそれまでに経験してきたことやそこで生まれた感情も人によってバラバラなので、人物設定は丁寧に描いて欲しかったかな。

上流階級を皮肉っているにしても相手側の一家が変態・変人の館すぎる!それでも、主人公のように高校生の如く好きだから一直線でいいじゃないかと思えるか、いやさすがにあの一家は... となるか、いやいやでも金持ちだから我慢したらいいんじゃね?となるかは各人ご判断を。ブレイク直前のブラッドリー・クーパーが出ているのも注目です。

それぞれの恋のお相手がそんなに魅力的には見えないし、特段相性がよいようにも思えないのも少し残念な点かな。普通にこのオジサン2人が結婚したほうがしっくりと来るし、いつまでもお幸せなんじゃないかと思いました😅まあでも全体的には気持ちよく観られるコメディ作品でした。
chunkymonkey

chunkymonkey