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サタンの書の数ページのlemmonのレビュー・感想・評価

サタンの書の数ページ(1919年製作の映画)
3.8
堕天使の解釈。


人間を誘惑し、悪行へと導く。
堕天使は最初から悪魔だったわけではなく、人間の不幸を見せ続けられる罪を犯された天使として存在する。

神様の究極のサディスティックな行為にも思えるが、この堕天使から人間の誘惑に耐える姿を、とても面倒な回り道で美化させているようにも思った。

その発想にやられる。
サイレント映画であるがゆえに、その内容についていけた。役者が自己陶酔に見えると一気に冷めそうだが、トーキーではないので、自分の頭の中で落ち着いて画面を追うことができた。


4部構成。
いずれも見所ありの細部までこだわった作りには感服。100年前の作品こその美しい画角の捉え方。

ラストはあっさり。
人間の世界に紛れ込む堕天使。
次の時代はどこに紛れているのか?
彼を探す楽しさも。

ただ、長い、、、😅


※戯言
女は皆、ふくよか。お顔立ちも今だととても美しい女優とは言えん。特にマリーアントワネット役は酷い。4部目の脇役の女の子は可愛かったが。ただアントワネットって私服を肥やした究極な存在な訳で、ある種の醜さを表現でもしてたのかも?深読み(笑)


ドライヤー監督、スゴイわ。
タイトル意味深。
堕天使の苦しみはこんなもんじゃないのだろう。
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