horahuki

悪魔のサンタクロース/惨殺の斧のhorahukiのレビュー・感想・評価

3.5
サンタに親を殺された子にサンタコスさせる鬼畜!

12月はクリスマス③

幼少期のトラウマのせいで殺人サンタになった青年ビリーが「悪い奴」に片っ端から「罰」を与えていくサンタスラッシャー。

サンタがヤッてるとこ見たくらいでトラウマになった『サンタが殺しにやってくる』とは違い、本作ではサンタに目の前で両親を殺されるという最大級のトラウマを植え付けられたキッズが殺人鬼サンタに。そりゃトラウマになるわ。そんで悪い子には罰と称して容赦なく血祭りに上げていくハイテンションなスラッシャーは、昨日、一昨日のやつと比べて圧倒的。

そして良い子にはプレゼントをあげるんだけど、一年何も悪いことをせずに過ごした良い少女には、血がついたカッターをプレゼントするというイカれ具合。最強に要らないわ。ウッキウキな笑顔で手を出して待ってた少女の顔が一瞬にして曇ったから笑った。

サンタが人を殺しまくってるから警察もサンタを片っ端から疑ってかからないといけないんだけど、2階の窓から家に入って子どもを喜ばせようと涙ぐましい努力をするパパさんサンタにも銃を突きつけて、本当にパパかどうか子供に確認させるっていう、ナチュラルに子どもの夢を奪ってくスタイルもサイコーだった。しかも沢山の子供たちがいる前でサンタを1日に2回も銃殺するという警察さんたちのトラウマ製造機っぷりが凄かった。

鹿の剥製にぶっ刺したり、首チョンパしたりとグロの方面にも見どころあったし、少年に対する様々な「教え」がそれぞれ歪曲されてカチリと結びつくことで殺人鬼化するという丁寧さもあって面白かった。

そして、トラウマが植え付けられる過程だけではなくて、大人による自己満足な「矯正」がそれを悪化させる事後的なトラウマブーストまで描いてたのも面白かった。しかもトラウマブーストさせた張本人である孤児院長のシスターは最後までそれに無自覚というのが後味悪い。ナチュラルに偏見まみれやったし。あの人はサッサと引退したほうがいい!
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