たむ

悪魔のサンタクロース/惨殺の斧のたむのレビュー・感想・評価

2.5
夏の楽しみ、キングレコードの「死ぬまでにこれは観ろ」。
こんな映画があったのか、幻の映画が廉価版になる有難い企画ですが、この映画もここで取り上げなければ、スルーするか、観ることが出来なかった作品でしょう。

クリスマスにサンタクロースの姿をした強盗に両親を惨殺され、弟ともに孤児院に入れられる主人公が、13年越しになんと自分が殺人鬼になってしまう、というスラッシャー映画です。
最初の設定はほぼ『バットマン』です。
バットマンは自らのトラウマでもあるコウモリの姿になる事で、悪を倒すヒーローです。
この映画の主人公は自分の両親を殺したサンタクロースの姿をしなければならなくなり、悪い子達を惨殺する殺人鬼になってしまいます。
ここまで道が変わるのか…。

80年代らしいシンセサイザーの音楽、性的な欲望の解放への警告、抑圧された欲望の発露などなど、わかりやすすぎるスラッシャー映画です。
被害者であり犯行を見てしまった子供のトラウマが、孤児院でのセックスなどで性的に抑圧されていき、仕事でサンタクロースの姿をしなければいけなくなり、残酷に解放される、その演出の仰々しさも80年代。
この辺りの展開は、倫理的にはアウトなのですが、極端な描写と展開の数々はホラー映画のお約束踏襲したもの。
殺人鬼に変わるシーンの、ある種のやりすぎ感は今観てもなかなか無理があるような気もしますが…。

私のタイムラインが「死ぬまでにこれは観ろ」の悪魔とタイトルがつく作品が3本並んでしまいましたね…。
たむ

たむ