ショウコ

悪魔のサンタクロース/惨殺の斧のショウコのレビュー・感想・評価

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殺人サンタのルーツでも追ってみようといくつか観てみたんですがこれがケタ違いに面白かった。ホッホーって言いながらノーテンキにぶっ殺していくのかと思ってたらめちゃくちゃシリアスな鬱映画でビックリ

一言で表すと、サンタ衣装を着た主人公がサンタになり切ってしまう話です🎅ただ正確には、彼がなり切ったのは「幼少期に遭遇したサンタコスの強盗レイプ殺人犯」だったという笑えないやつ…。幼い主人公は、目の前で両親を惨殺した男を、犯罪者ではなく本物のサンタだと思い込んじゃったわけですね

さらにいくつもの不幸な勘違いがブレンドされめでたく殺人サンタが完成するんですが…どれも非常に現実的です。こういうのって超常現象とか呪いで安易に処理しちゃい勝ちですけどあくまでリアルから離れないのが偉すぎる。ファンタジーに逃げずにこれだけ説得力を持たせるのって凄くないですか…

「汝、姦淫するなかれ」と孤児院のシスターに体罰つきで叩き込まれたトラウマが「クリスマスのセックス祭り成敗」に直結する…という仕掛けには唸らざるを得ない。世の中の宗教ってのは脈々と継がれてきた伝言ゲームによる勘違いの結果なのかも知れない🤔

肝心の殺人シーンですが、クリスマスアイテムを使った遊び心をちゃんと入れつつまぁまぁグロい。オブジェの鹿のツノに女の子を引っ掛けるシーンは「背中から刺さったツノに押されて腹の皮膚が盛り上がってくる様子」をキッチリ見せてきて驚いたし、宙ぶらりんになってる犠牲者の姿はもはやアート🖼背中越しに見えるツノが天使の羽根っぽくなってました



この時代のクリスマスは宗教的な意味合いがまだまだ強く、PTA等から抗議運動が起きたんだそうな。同じく84年公開の「グレムリン」はバッシングされるどころか超大ヒットだし、80年「サンタが殺しにやってくる」も普通にスルー…

この差がどこにあるのかは分かりませんが、やっぱ「ファンタジーという逃げ道があるか無いか」なんじゃないかと思った。自分の作品で物議が巻き起こるだなんて作り手にとっては勲章だな🎖

本作のリメイクである「サイレント・ナイト」も観てみましたけどゾンビーバーで知ったコートニー・パームちゃんが相変わらず脱いでましたね。名前載せてあげて〜
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