映画大好きザウルスくん

ドラゴンファイトの映画大好きザウルスくんのレビュー・感想・評価

ドラゴンファイト(1989年製作の映画)
3.1
中国武術団員のジェット・リーはアメリカで亡命した団員仲間が起こした殺人事件の犯人に間違われ、言葉の通じないアメリカで逃避行をすることになるのだが…というジェットリーのアメリカ進出第1弾作品にして初の現代を舞台にした作品でもあります!

ジェットリーが本作の1つ前に出演し監督も務めた『ファイナル・ファイター 鉄拳英雄』ではアクションシーンが一辺倒で退屈気味だったのですが、本作はその反省を活かしてなのか冒頭から本気の演舞が華麗に披露され、終盤には狭い小売店内の1階と2階を階段を使わずに何回も往復もしながら繰り広げられる驚きの格闘シーンや、クライマックスには強者同士のタイマンバトルを経てから様々な武具を使っての多人数戦へと発展していく展開など、アクションの振れ幅がかなり広くなりジェットリーに求めていたものを見せてもらえた気がしました!最大の敵になってしまった元親友役を演じるディック・ウェイ(『プロジェクトA』のラスボスの海賊役の人) の殺陣も抜群の切れ味でした🥳

しかしやはり残念だった、というより悲しすぎたのは中盤の人情話パートです。僕はどうしても善良な役のジェットリーが勘違いされたり利用されたりする作品に拒絶反応があるらしく、本作もチャウ・シンチーと過ごす温かくもあり悲しくもあるドラマに感情移入してしまった反面、胸糞悪い結末を迎えるやるせなさが悲しすぎて見ていられませんでした。罪のない温かいおじさんが殺されるとかそういうのマジでキツいです…🤦‍♂️

『少林寺』シリーズの終了から『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズが始まるまでの次なる方向性を模索していた時期のジェットリー作品は、出来はあまり良くないものの本人の若さ溢れるエネルギッシュな体捌きが観れるので一見の価値ありです!ちなみにこの時期のジェットリーは敵の攻撃がストレートに決まった時にトリプルアクセルしながら吹っ飛ぶような笑っちゃうくらい見事な受け身を取るので、それがいつ出るのか期待しながら観るのもオススメです🙌笑