ちろる

ティングラー/背すじに潜む恐怖のちろるのレビュー・感想・評価

3.7
原題の「The Tingler」は、ゾクゾクする、ヒリヒリする、といった意味。
ゾクゾクする感覚において、この映画はゾクゾクの原因は背中に何かエイリアンのような生き物が生成し、その生き物を取り出してみる、という奇想天外の恐怖映画。

キャッスル監督が本人が冒頭に出てきて「叫びはショックを軽減させる。だから時が来たら叫ぶのです。ビリビリとしたものが来るかもしれない。そうしたら叫ぶのです。」と述べる。なぜかと言えばスクリームしたらその生き物が萎えるから。
しかし、聾唖の女性はそれが出来ず死んでしまうのは印象的なシーンでもある。

本作は、劇場の一部が電流椅子のようになっていて、ティングラーが現れると電気ショックが流れたり、劇場のスピーカーから絶叫の音声が流れたり、観客に紛れ込んだサクラも絶叫して煽ったりというギミックになっていたまさしく4Dの元祖。
そう考えると革新的な映画とも言える。

ロブスター、さそりみたいなティングラーは、グロテスクで、虫が苦手な人にはある程度のトマウマを与えるし、映像的に遊び心があるので怖いけど、きもいけど最後まで楽しめる作品となっている。
多分好き嫌いは分かれる。
でも古い映画だと侮る流れ、革新的なアイデアに満ち溢れている演出を楽しんでほしい。
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