歩葉戸路素

ゾンビ3の歩葉戸路素のレビュー・感想・評価

ゾンビ3(1979年製作の映画)
5.0
素晴らしきイタリアZ級映画
『ゾンビ3』なのに『2』は存在しておらず、しかも続きモノですらなく物語はこれ一本で完結しているという…
訳が分からない………
それと『2』は無いのに『ゾンビ3』はコレともう二つ別の全く関係の無い映画が存在している
つまり『ゾンビ3』は世に3つ存在しているのだ!
ますます訳が分からない……………

古い洋館の地下で秘密の研究をしていた博士はうっかり太古のゾンビを蘇らせてしまい、洋館に遊びにきた家族がゾンビに襲われるという物語

ゲロゲログログロのゾンビがゆーっくり襲ってきたかと思うと、いきなりナイフ投げで人間を殺害したりする
非常に虚を突いた動きをするゾンビ共
おそらく自分が今まで見たゾンビ映画で一番知能が高いのではないだろうか?
しまいには主人公を捉えて電動ノコギリで殺害しようとするゾンビ
お前らゾンビなのに喰い殺さないのかよ…

そんな個性的なゾンビ達でも
謎の少年『マイケル』のインパクトには勝てなかった…
この映画の登場人物、少年マイケル(演:ピーター・バーク)は全ホラー映画でもトップクラスに不気味な存在だと思う
普通の人間の少年なのにどこか均衡感の欠落を感じてしまう容姿や素ぶりに世界中のホラーオタクが釘付けだったそうな
『12歳なのに異様に老けた顔』が謎SEピロピロピロ〜ン♫と共に目を覚まし視聴者をガン見するシーンで私は只ならぬ恐怖を感じてしまった
ラスト、ゾンビ化した少年マイケルが過保護な母親の乳首を噛みちぎるシーンがあり更なる大インパクト!
このマイケルと過保護な母親は脇役なのに(実は主人公は他にいる)他が全く記憶に残らないぐらいコイツらのインパクトが強すぎた………恐るべき親子愛(笑)
映画の結末も絶望感しかなく黙示録的で結構好き
今でも世界中のゾンビオタク共に愛されてやまないカルト映画

余談だがゾンビ3のBD特典にマイケルの誕生秘話が語られていた
当時イタリアの映倫はホラー映画に子役を使う事を虐待とみなしていたため、この映画監督は子役の代わりに
『その辺の道端で見つけてきた童顔の26歳男』を連れてきて撮影したのであった…
彼こそがマイケルを演じた名優ピーター・バーク氏だったのだ!!
彼は映画や役者業に縁もゆかりもない一般素人
ただ『童顔』で『チビ』だったからスカウトされたとか………………

えぇ………マジか………🙀
色々凄いとしかいいようがない
映倫もアレだが映画制作側も相当なアレである

イタリアって本当素晴らしい国だと思った
歩葉戸路素

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