浅野公喜

ザ・ハウス/屋根裏の悪魔の浅野公喜のレビュー・感想・評価

ザ・ハウス/屋根裏の悪魔(1989年製作の映画)
3.6
虐待する両親を焼き殺した男が豪邸の屋根裏に住むサスペンスホラー。いかにも悪人面のゲイリー・ビジーがそんな男を熱演。ほぼ同時期の「W ステップファザー」と作風がちょっと似てます。

男の内側に渦巻いているのは自分が手に入れたくても手に入れられなかった幸せな家庭への嫉妬心。しかし彼は同時に豪邸に住む家族の娘を助けたり、息子をイジメから守ったり護身術を教えたりと、美人妻を手に入れる為の戦略にしても、ある意味自分の親を反面教師にして理想の父親を演じようとする面も持っているのが面白い所なんですが、精神不安定で子供っぽい所が見え隠れし、次第に狂気が露わになっていき浮気をして出て行った夫を再び妻が迎え入れる所で怒りは頂点に。

後は大体予想通りの展開なんですが、狂ってはいるものの男にはどこか純粋さみたいなものを感じますし、余りに不器用過ぎた男の悲劇としても通用する作品だと思いました。かなりマイナーですが、プライム等でも配信されてます。
浅野公喜

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