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宇宙人東京に現わるのhorahukiのレビュー・感想・評価

宇宙人東京に現わる(1956年製作の映画)
3.2
今週末公開のジェームズガン『ザスーサイドスクワッド』に多大な影響を与えたのではないかと思われる日本の特撮映画。ヒトデみたいな星形宇宙人が地球にやってくる…という侵略SF的設定ながら、大切な「何か」をヒトデが人類に伝えようとするゆる〜いお話。

『地球の静止する日』と『ボディスナッチャー』をミックスしたような内容で、ヒトデ星人たちがヒトデのまま人類に接触→みんなに怖がられて話にならない→地球人の姿をかりて会いに行こう!って感じの反核映画。「何でこんなに美しい私たちを人類は怖がるの?」とか「人間になりすます?顔に凹凸があるクソ醜い姿に変身とか絶対嫌!」とかを大真面目に、ひとつ目ヒトデたちが話し合ってるのが笑える🤣

ちなみに伝えに来たメッセージは「地球に隕石が迫ってるから、地球にある全部の原水爆で迎え撃てば防げるよ!」っていう隕石衝突の防止と核の廃絶という小学生の発想そのままやっちゃったみたいな一石二鳥おバカ展開!

でも、前半でこのヒトデ宇宙人たちはフェイドアウト…。そこからは、被爆国である日本が「核を全部隕石に使え!」と海外を説得しようとする。この辺りは単純に核の恐怖を描いて来た他の反核特撮とは違い、被爆国として果たすべき責任と頼りなさすぎる日本についての言及のようで面白かった。

しかも日本は原水爆を上回る新兵器を発明するに至っていて、それを完成させるか、それとも既存の原水爆を使うことで消滅させるかの二択を迫り、地球人としての未来に向けた倫理観を問う…ようでいて、その辺りは意味不明でポカ〜ンってなっちゃうアホ展開を見せるのがサイコーに笑える🤣

途中まで『地球防衛軍』のように、良い顔した宇宙人が地球をだまくらかして侵略してくる…的な展開をどうしても想起してしまうほどに宇宙人が胡散臭さ全開で、宇宙人側の価値観を押し付ける『ボディスナッチャー』になるのでは?と期待してしまったのだけど、その辺りも華麗にスルーという潔さ!全て宇宙人の思惑通りにことが進むので、あながち間違えてはないのだけど、何とも微妙な作品でした😂

どーでも良いんだけど、迫ってくる隕石に大量の原水爆をぶちかますとこを「本当に隕石を壊せるの?」とヒヤヒヤしながら望遠鏡でただただ見守る日本のお偉いさんたちのシーンがクライマックスっていうアホらしさよ。別に何をしてるわけでもなく単に見てるだけなのに汗ダッラダラかいて、しかも汗拭く係りの人他数名が待機してるっていう。手持ち無沙汰なのか何もしてない後ろにいる人までわざわざタオルでかいてもない腕の汗拭ってるし😅
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