メイプルわっふるG

宇宙人東京に現わるのメイプルわっふるGのレビュー・感想・評価

宇宙人東京に現わる(1956年製作の映画)
3.5
迫りくる新天体R。地球の危機を知らせにパイラ星人がやってきた。
大映製作のSF特撮映画。日本初の本格的カラー空想特撮映画。

か、かわいい。。寸胴でよちよち歩くパイラ星人。岡本太郎先生デザインのヒトデ型。完全に着ぐるみ被りもの。ペンギン並に歩幅狭く、寄り集まって会議してる。地球人に擬態なんてせず、その愛らしい姿をもっと見せてほしかった。
日本初のカラー特撮映画とのことだけど、デジタルリマスターとか追加着色とかしてるのか、紅葉の赤や湖の青がすごく鮮やかで綺麗だった。でも登場するパイラ人は黒くてジャケの赤とは違うという。
ラジオのノイズとか生態系の変化とか、割としっかりした予兆エピソードに、1950年代の日本を侮ってたと反省。ロズウェル事件などのUFO先進国なアメリカと比べ、日本はもっと疎いだろうと。作中の情報媒体は新聞ラジオと街頭放送、移動は機関車、そしてあの子供たち。こんな世界観ならそりゃ文化レベルを低く見積もっちゃうのも仕方ない。
その分、原水爆を上回るエネルギー方程式を、世界に先駆けて日本人博士が発見するという展開も。
世界平和やエコロジーが主題なんだろうけど重くも堅苦しくもない。外的要因によって世界団結するという有りがちパターンとは細部で異なる。外的要因は友好的な存在。核保有の各国は、自己都合で原水爆を使い果たす(そして効果がない)という、ちょっと皮肉まじりな核廃絶方法。
時代とともに平和やエコの概念は変化するものの、こういった映画があると当時の重視していたことがわかり易いので有意義。
宇宙軒というネーミングでラーメンが食べたくなった。

memo
地球に入らば地球に従え
ラジオノイズ ロズウェル 宇宙軒 東京湾魚失踪 紅葉や湖の鮮やかさ 原水爆の脅し合い ウリウム101 武器商人 遊星R接近 嵐洪水 兎狸小鳥蟹亀