Taka

ザ・バニシング-消失-のTakaのレビュー・感想・評価

ザ・バニシング-消失-(1988年製作の映画)
4.2
観客が刺激を求める為なのか、映画の中のサイコたちは既に自分を律することが不可能になった段階で登場し、多数の犠牲者を出し、血を飛び散らせ、皮を剥ぎ、肉を喰らい、死体をオブジェにする。
そして傍目にも「こいつ、異常だろ?」と思わせるような風貌や言動。

が、今作の犯人は ソコに至る前段階での
「本当に」「どこにでもいる」「普通の」「反社会的」人物。
しかも、
銃を撃ってみたかったとか、
人の身体にナイフを刺してみたかったとか、
遊ぶ金が欲しかったとか、
気に入らないから殺そうと思ったとか、
死ぬとは思わなかったけど死んでしまったとか、
思わずキレて殺してしまったとかいうレベルではなく、
「自分に何が出来るか?」を冷静に判断した上での行為。
社会に対して自分の力を誇示したい、というのではなく、
あくまでも自分自身のレベルを高めるための行為。
この辺りが極私的に とっても怖かった。

因みに、セルフリメイクの93年『失踪』はイマイチだった。
Taka

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