ザ・バニシング-消失-の回送ペリカンのレビュー・感想・評価

レクター博士やジョーカーのようなヒロイックなサイコパスを見慣れた現代っ子にはちょっと渋い。少しの歪みや弾みで踏み外してしまった普通の人間、という身近な厭さを感じた。けどその卑近さが効いていて、下手なナンパを練習したり家族に若干苦しい言い訳をしたり健気に練った計画を被害者に披露したりしてドヤ顔してるのがなんともむず痒い。妻子ある一廉の中年なんだという印象と、その家族をそれとなく犯行の練習台にしてニヤついてるときの「あ、こいつキモい！けどなんか詰めが甘そう！？」という感じが面白かった。