イチロヲ

天国にいちばん近い島のイチロヲのレビュー・感想・評価

天国にいちばん近い島(1984年製作の映画)
3.5
他界した父の遺志を引き継いだ少女(原田知世)が、天国に近い島を探すべく、単身ニューカレドニアへと赴く。オーストラリア北東部のリゾート地を舞台にしている、ヒューマン・ドラマ。

筆者は90年代にテレビ放映で初鑑賞しているのだが、成人してからの再鑑賞においても、その印象は当時と変わらず。端的に言うと、「原田知世の長いプロモーション映像」「トラブルメーカーの女の子がフラフラしてるだけ」という感じ。

主人公に絡んでくる人物は「善人・人格者」ばかり。現地の日系人のシークエンスが最重要なのだが、登場人物が台詞で要点をペラペラと喋ってしまうため、主人公の心的成長のカタルシスが弱い。

後年のバブル期の日本人像を知っていると、若い娘の危機感が足りていない海外旅行に、とにかくヒヤヒヤさせられる。その一方、シチュエーション移動がとても早く、エキゾチックな雰囲気をしっかりと映像に収めているところは、さすがの大林監督。
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