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天国にいちばん近い島のKUBOのレビュー・感想・評価

天国にいちばん近い島(1984年製作の映画)
3.0
公開当時も「なんだか退屈な映画だったなぁ」というのが率直な感想だったが、今見ても同じ。私の大林宣彦の原体験は『HOUSE』『時をかける少女』『転校生』そして本作だったわけだが、この作品に大林らしい何かを期待しても、ほぼないな。

ともかく『時をかける少女』で一世を風靡した原田知世でもう一本、ということだったんだろう。そこにニューカレドニアの美しい海があれば完璧、と。

確かに原田知世のイメージビデオだと思えば美しいし、ニューカレドニアの観光ビデオだと思って見ても綺麗だが、それだけ。

たぶん大林も角川春樹に頼まれて、お仕事で撮っただけじゃないかな。だって大林宣彦らしいところが全然ないし、強いて言えば、原田知世と高柳柳一の棒読みと、オープニングとエンディングくらいか?

だいたい、16歳の女の子に「できるだけ大人っぽい格好で来なさい」とか言ってカジノに連れてったり、自分がかつて別れた恋人と行った海が見える丘に日暮れに連れ出したり、峰岸徹はどう見ても危ないロリコンおやじ。

ツアーを離れて1人で離島へ行ってしまうこの子もあまりに行き当たりばったり。映画は良い人に囲まれて無事に帰ってくるが、今のご時世なら何があってもおかしくない。自分の娘だったら絶対許さないし、心配で死ぬ。

ただ、原田知世が「変わらない」のには驚く。「昔はかわいかった」じゃなくて、十分おばさんの年齢の今の顔のイメージがこの頃から全く変わっていないという。よく「劣化」とか言うけれど、原田知世はかわいいままおばあさんになっていくに違いない。吉永小百合と並ぶバケモノかもしれない。

見ると幸せになると言う「グリーン・フラッシュ」。私も毎年宮古島でサンセットを見ては「見れないかなぁ?」と期待しているが、まだ見たことはない。(数年前、石垣で見えたってニュースを見たけどね)

「天国にいちばん近い島」ってほど美しいニューカレドニアの海。確かに美しい。でも毎年宮古島の海を見ている私には特筆するほどの美しさには見えない。よく宮古に初めて来た人が「日本じゃないみたい!」と言ってびっくりするのを目にするが、宮古島の海はニューカレドニアと比べても遜色ない美しさだ。まだ行ったことのない人はぜひ一度行ってみて。沖縄ともまた違う、沖縄の人が「でーじキレイ!」って叫ぶ海だよ。
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