イチロヲ

女性鬼のイチロヲのレビュー・感想・評価

女性鬼(2007年製作の映画)
3.0
婚前交渉を否定しながら規律正しい生活を送っている女子高生が、自身のヴァギナに殺傷能力が秘められていることに気づかされる。「もしも女のアソコに牙があったら」を題材に取っている、サスペンス・ホラー。

悪ふざけ系のスプラッター路線ではなく、ガラスの心を描いたシリアス路線。禁欲的な思春期を過ごしている女性の姿を通して、性交渉に対する恐怖心や焦燥感の可視化、ひいては反作用現象を描写していく。

「容姿端麗な女性との交合の先に死が待っている(=性衝動と死地の表裏性)」というモチーフほど、気分がアゲアゲになるものはない。小品ながら、「スピーシーズ」「スペースバンパイア」の系統としても、単純に楽しむことができる。

本作を鑑賞したからと言って、さすがに「女との性交渉が怖い!」とはならないが、「男は入れる側・女は入れられる側」という相互理解を考えさせられる。加えて、性衝動が生み出すカオス状態に普遍性が感じられる。
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