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森の彼方に
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『森の彼方に』に投稿された感想・評価

lemmon

lemmonの感想・評価

3.6
終始色んな意味でベティデイヴィスが怖い😨。

風貌もそうだし、役もそうだし。
「何がジェーンに起ったか?」をこの後演じる訳だが、もともとベティは若い頃から美貌をかなぐり捨てる役は多く、お手のもの。
本作もまた狂気であった。

町医者の嫁として不自由なく暮らす女がベティ。
欲望のまま、見た目も大胆に、他の男との関係も。
生まれるサスペンスもまたわがままが故に起きる。

本作、物語的には驚くこともないが、冒頭の演出、ベティデイヴィスの存在そのもの、クライマックスに向けての醜と美の表裏一体がなんとも印象的で、観終わると満足してしまった。
こぅ

こぅの感想・評価

3.8
キング・ヴィダー監督による、サスペンスタッチの【ヒューマン・ドラマ】。


田舎町に医者の夫、ルイス(ジョセフ・コットン)と暮らす妻、ローザ(ベティ・デイヴィス)。
田舎暮らしに辟易するローザの不満は次第に募り…。


冒頭からウィスコンシン州の紹介と主となるローザの人々が注目する法廷シークエンスより回想形式へと入る足早ナレーション。

これは、ラストまで【ミスド】を狙った構成か⁈
個人的に殺人サスペンス作品と捉えた所以。

ローザが街を闊歩すれば道行く者は振り返る注目の的(良い意味か悪い意味か)。

夫は、患者に親切な名医なのに、その裏では金持ちを誘惑して求婚する 悪妻 という対比を見せる。

ローザは、ウィスコンシン州から大都会シカゴに渡って大金持ちと結婚して裕福に暮らしたい望み一心。

一般的ファムファタとは違う、精神的にイカれたワガママ女の執念。

この悪態から、、注目される理由も分かる。

脚本は無駄省き、ローザにスポットを充てているからテンポも良い。


クライマックス〜ラストは容赦無いが、自業自得とも哀しき同情を誘うとも捉えられる。

【何がジェーンに…】のベティの怪演始祖⁈が垣間見れるとして興味深い←0.1加点。
都会への 憧れ を捨てきれない 女の執念 を、ベティが体現して魅せてくれ、劇伴と併せたキング監督のドラマチックな演出力も確かで、地味ながら見応え有り。
Jimmy

Jimmyの感想・評価

3.0
主演がベティ・デイヴィス&ジョセフ・コットンで、サスペンス映画……といったら、それは期待してしまうのが普通。
観てみると、ベティ・デイヴィスを「いかにも悪」として描こうとしているのだが、直接的に描き過ぎの感あり。

冒頭、「これは、悪を描いた物語である。悪がどういうものなのかを知るには、悪をたっぷり観た方が良い」とかいったテロップ表記。
そして、誰もいなくなった田舎町が映されるが、住んでいる人々はみんなが裁判所に行って、ローザという女(ベティ・デイヴィス)が殺人を犯したか否かを裁くのを見に行っていたのだった。
そして、「私は殺していない!事故だ!」と叫ぶベティ・デイヴィスに続いて、物語は5ヶ月前に遡って始まる。

田舎町で医者の夫(ジョセフ・コットン)と暮らすローザは、田舎暮らしに不満でシカゴ(都会)行きを夢見ている。
そして、ローザのワガママ放題の姿が描かれる。夫が釣りをするのも不満っぽく、街の経営者と浮気、そして射殺……など。

本作を観て、ノワール映画の【悪女】について考えてしまった。
やはり、悪女というのは、自分が行った悪事を口で言うのではなく、女の行いを観た観客が「これは、どう見ても悪いだろ…」と思わせるのが悪女だと思う。
映画『遅すぎた涙』のリザベス・スコット、『過去を逃れて』のジェーン・グリアなどなど、やはり行動で示す[悪]が際立つ😎
ベティ・デイヴィスの場合は、『月光の女』をはじめとして様々な悪女、毒婦を演じているが、本作はちょっと弱い。
本作は、『何がジェーンに起ったか?』とか『ふるえて眠れ』などより少し前の作品だが、中年女の悪女としては、自分の悪事を喋り過ぎである。
夜中の地面に横たわるシーンのベティ・デイヴィスは美しいが、作品全体としては惜しい映画だった気がする🥲