Maoryu002

セント・マーティンの小径のMaoryu002のレビュー・感想・評価

セント・マーティンの小径(1938年製作の映画)
3.6
ロンドンの大道芸人チャールズ(チャールズ・ロートン)は仕事も寝る場所もないリビー(ヴィヴィアン・リー)と出会い、彼女の才能を見出す。彼女を仲間に加えて芸を始めるが、作曲家ハーレー(レックス・ハリソン)に誘われたリビーはチャールズたちの元を去って舞台で人気者になる。

欠点だらけの人間たちが、それぞれに生きる道を見つけるんだけど、思いのほか胸に沁みる切ない話だった。

激情家のリビーは、翌年の「風と共に去りぬ」のスカーレットそのままだし、無邪気に貧乏を笑い、人間関係をないがしろにして華やかな世界に飛び込んでいく演技は、ヴィヴィアン・リーらしいなーって感じ。

一方、チャールズ・ロートン演じる大道芸人は、時代遅れで器用に生きられない男。リビーに想いを伝える時も本当に不器用で可哀そうになってしまう。
でも、女性を殴ったり、盲人のフリしたりはいただけなかった。

そんなチャールズが自分の居場所と役割を悟ったときの、温かい笑顔がなんとも味わい深かい。
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