イチロヲ

ディレクターズカット ウッドストック/愛と平和と音楽の祭典のイチロヲのレビュー・感想・評価

4.0
1969年の夏、ニューヨーク州サリバン郡ベセルにて開催された野外音楽フェスティバル「ウッドストック」のドキュメンタリー作品。本作に記録されているイベント内容は、その後のあらゆる野外フェスの出発点であると同時に、到達点でもあると言われている。

アメリカの若者たちが、カウンター精神を抱えるようになった時分の出来事。40万人の観客たちが、エスニック衣料を着込んで、ヒンズー教(または仏教)に宗旨替えして、ドラッグを摂取しながら、ピースフル&アンチウォーな音楽に身を委ねる。

本編内では、分割映像が効果的に使用されており、あらゆるアングルから空気感を掴み取ることができる。とりわけ、ヒッピーたちのネガポジ空間を引いた目線で切り取り、有象無象の輩として映像に収めているところが素晴らしい。

参加ミュージシャンたちは、損得勘定なしで「今の自分がすべきこと」をしていることがよく分かる。なお、筆者は「Sweet Water」というバンドがお気に入りなのだが、残念ながら彼らのパフォーマンスは収録されていない(動画サイトには投稿されている)。
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