爆裂BOX

ゼダー/死霊の復活祭の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ゼダー/死霊の復活祭(1982年製作の映画)
3.8
売れない作家ステファノは妻から贈られた中古のタイプライターのインクリボンに残された文章から「Kゾーン」と呼ばれる場所を知り、その謎に迫っていく…というストーリー。
80年代製作のイタリアン・ゾンビ映画ですが、ルチオ・フルチの様なスプラッターゾンビ物期待するとがっかりすると思います。ゾンビも終盤にしか登場しませんし。
妻から贈られた中古のタイプライターに残っていた文章から死者を埋葬すると蘇るという謎の場所「Kゾーン」の存在を知り、その謎に迫っていくという内容で、ゾンビ映画というよりは「巻き込まれ型サスペンス」みたいなミステリーサスペンス調で進んでいきます。
殺人シーンも少ないし地味な内容でテンポもゆったりしてますが、謎を解くたびに次の謎が生まれ、美人で色っぽい奥さんほっておいてとりつかれたように謎を追っていくうちに恐怖にからめとられていくような感覚は引き込まれますね。協力を頼んだりした友人が消えたり死んだり、暗躍する謎の男達も「何が起こっているんだろう」と見入らせてくれます。核心に迫っていくにつれて緊張感が高まっていく展開も良いですね。
「Kゾーン」に埋葬された死体をモニターやサーモスタットを使って復活の謎を解こうとする科学者集団が出てくる所も面白いです。
不治の病を患い、Kゾーンを探してそこに遺体を埋葬した神父がゾンビになりますが、ゾンビと言っても顔色が真っ白なくらいでイタリアゾンビ映画お馴染みの腐乱ゾンビではないですが、棺に内部に仕掛けられたモニター画像に映る神父の死体は妙に不気味ですし、目を開けて笑い始め、地面から頭突き出してケタケタ笑うシーンも不気味で良かったです。妙に高い笑い声も耳に残りますね。
唐突に現れて主人公に情報提供しようとしてその前に殺される女性や、恩師を含めた暗躍する秘密組織の目的など未消化の謎も残されていますね。いきなり主人公にキスしてきて拒まれたら罵詈雑言浴びせるビッチ娘の存在も謎。あれ以降全く登場しないし。
「死者を埋葬すると蘇ってくるが、凶暴化して人に襲い掛かる」という設定やラストなど、スティーヴン・キングの「ペット・セメタリー」との類似点が多く、影響窺わせますね。
ゾンビ映画というよりはミステリーサスペンスホラーとして見た方が楽しめる映画だと思います。