スギノイチ

レイプ・キラー/3人の暴行魔のスギノイチのレビュー・感想・評価

4.0
『必死の逃亡者』のブラックスプロイテーション仕立て。
タイトルの割には性暴力描写は大したことはなかったが、大量の人種差別台詞と嫌がらせ描写が胸糞悪くなる。

凶悪犯のリーダーを演じるのはウィリアム・サンダーソン。
非白人系の手下二人を引き連れている。
レイプ魔の上にゴリゴリの人種差別者というどうしようもないやつで、知性も全く無い。
黒人家族に対するいじめのレパートリーがやたら広く、映画の殆どはこいつのイジメ芸である。
ウィリアム・サンダーソンの嫌な演技が出色で、本国で”映画史上最悪の人種差別者”との呼び声高いとか。

黒人一家は裕福かつ非暴力的なインテリ家庭である。
社会の下層にいる人間をパワフルに描くブラックスプロイテーションとしては珍しいタイプだ。
車椅子のおばあちゃんが一番好戦的なのが面白いが、70年代以前のもっと人種差別がひどい時代を生きてきた女の姿勢を感じる。
年頃の娘は美人なので案の定輪姦されてしまう。家族が隣りにいる状況なのでかなりキツイが、直接的なシーンは省略されているのが救いか。
弟はかわいい盛りで、少年ながらに犯人たちに立ち向かっていくのが危なっかしくも頼もしい。
むしろ肝心の家長が頼りない。
非暴力主義なのは良いが、殴られて気絶するという展開が2,3回あるのでもっとしっかりしてほしい。

途中、娘の友人として白人女性が登場する。
明らかにレイプされるために出てきたな…という感じのグラマー女優だが、やはり速攻で脱がされる。
犯人の一人に犯された挙げ句川に落とされて死ぬ。
あんまりな扱いである。
また、弟の親友だった白人少年が無残に撲殺されてしまうのもショッキング。
『悪魔のいけにえ』みたいな痙攣シーンがあって、ここが一番エグいシーンだった。
その父親である地元の警官が逆上して特攻するも、返り討ちで射殺されてしまうのも無残。
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