稲葉光春

鏡の中にある如くの稲葉光春のレビュー・感想・評価

鏡の中にある如く(1961年製作の映画)
4.6
娘の壊れてゆく様を悲しみながらも小説の題材にしてしまおうとする父親ダビッド、妻をうっとおしく思うマーチン、このようなことは一見許されないことに思えるが、人間ならばありうることである。裏切りも拒絶も含め、さまざまな愛は存在するのであり、それは神の存在の確信である。ダビッドは自殺に失敗したときに、虚空の中でこのことに気づいたのである。何かをしてくれる神は来ることはなく、自分の意思で、全てを肯定するしかない。
稲葉光春

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